サムイ

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マンションに着くなり、携帯音が鳴り響く。 あー、なんだ。 ディスプレイに表示されてるのは、最近まで私のアシスタントだった5つも年下の入りたての新人君 今は研修で現場に入ってる 「なに」 キツイ一言で、好きな男には聞かせられないような声を出した 「ちょー、サムイっすよ!! 雪降ってますけど!!」 「だから何なのよ?」 「先輩も寒いんじゃないかと思って。」 「バカにしてんの?」 なんたんだ、コイツ―― 「寒かったら、俺が抱き締めてあっためますよ?」 不覚にも。 涙が頬を伝った。 「……泣いてんの?」 「アンタが泣かしたんでしょ」 「ふはっ、やっぱカワイーな」 何だろう。 この染みる気持ちは。 「アンタ早く研修から帰ってきなさいよ」
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