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しばらく闇に包まれて。
静けさが支配していたのに。
「なんもしないから、抱いて寝ていー?」
静けさの中に、彼の「お願い」がまた、1つ追加された
「あのねぇ。
そういうつもりで泊めてないんだけど?」
いや、ほんとに。
「ちょっとだけ。」
そう言って広げられた腕を横目に睨んで、私は暫く停止した
「ほら、早く」
「……だ、抱っこだけだからね?」
「うん」
そっ、とゆっくり。
頭をその腕に預けると、彼がギュッと私の身体を包み込んだ。
ふわり、と香る
甘い、香り。
――なんだ、この香りは。
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