波流とハル

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「おっちゃん、どこ行ってたのさ!さっさと手伝って!頭がムシャクシャする!」 「カズが太鼓でおらんから、助っ人を連れてきたんやで。そんなカリカリすんなや」 どうやら、『ハル』というのは目の前で鉄骨を地面に叩きつける少女のようだった。 同じ名前で、波流は微妙に親近感を覚える。 「で、この子が手伝いか」 ハルが立ち上がった。 「こいつは娘のハルや。そういや、あんた名前は?」 「川島波流。波が流れるで波流です」 波流はおっちゃんの言葉を一言で返し、鉄骨の一つを拾い上げた。 窪みなどはあるが、確かに組み立て方は想像できない。
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