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ここは都会の中心部。
大きなビルが建ち並ぶこの街は山一つ見えない。
そんな街に一軒の古い家があった。
その家は二階建てで瓦は剥がれ落ち、そのすき間から水が滴り落ちていた。
そんな家に田畑 学は住んでいた。
三十五歳の独身でフリーターだ。
「学~、ごはんですよ~。あはは」
「分かった、今行く。」
そして今、学に話しかけてきたのが母、春子だ。
さっき笑っていたのはいつものことだ。
ごはんですよという海苔をご存知だろうか。
あのビンに入っているご飯につけて食べる海苔だ。
どうも、今の母だけのマイブームらしい。
この物語は母、春子と私、学の生活を書いた物語である。
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