本屋と母と私

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本屋と母と私

田畑 学は朝七時に目覚めた。 フリーターの学にとって毎日は退屈なはずだった。 しかし、この家には母がいる。 「学~、本屋行きましょ~」 「分かったから、そこで待ってて」 母、春子には昔から口癖があった。 学~や行きましょ~のように最後の言葉を延ばす癖だ。 学は本当は本屋何か行きたくなかった。 しかし、ここを出れば街の中心部。 車イスで生活している母、春子にとって一人で行かせるのは危険だ。
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