19人が本棚に入れています
本棚に追加
「なに?!明奈具合悪いん?」
凄まじい音がして 扉がひらいたかと思うと、透兄ちゃんが立っていた。
楓の口が ぽっかりあいているから
楓が知らせたわけじゃなさそう。
「透~、さっきの続きわぁ?」
ブラウスが不自然に乱れた3年生のお色気むんむんな先輩が
透兄ちゃんの腕にしな垂れかかる。
「うっさい。失せてねマジ」
「はぁ?…誘っといてなんなのマジでっ」
そういうと
先輩は つかつかと こちらに歩み寄り、
乱暴に私を引きずり出した。
「おいてめ…明奈にさわんじゃ」
「、どけ」
爪が食い込んでいた指が離れ、 しっとりとあたたかみのある手に変わった。
安心するにおい…。
「明奈、帰るぞ」
うん…。
慶太兄ちゃん ありがと。
私はそっと 心の中で呟いた。
最初のコメントを投稿しよう!