シンデレラと王子様

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「なに?!明奈具合悪いん?」 凄まじい音がして 扉がひらいたかと思うと、透兄ちゃんが立っていた。 楓の口が ぽっかりあいているから 楓が知らせたわけじゃなさそう。 「透~、さっきの続きわぁ?」 ブラウスが不自然に乱れた3年生のお色気むんむんな先輩が 透兄ちゃんの腕にしな垂れかかる。 「うっさい。失せてねマジ」 「はぁ?…誘っといてなんなのマジでっ」 そういうと 先輩は つかつかと こちらに歩み寄り、 乱暴に私を引きずり出した。 「おいてめ…明奈にさわんじゃ」 「、どけ」 爪が食い込んでいた指が離れ、 しっとりとあたたかみのある手に変わった。 安心するにおい…。 「明奈、帰るぞ」 うん…。 慶太兄ちゃん ありがと。 私はそっと 心の中で呟いた。
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