シンデレラと王子様

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「おーい、明奈。聞いてる?」 恥ずかしながら 私はこんな昔の夢ばかり見ている。 夢からさめて動いた時、 パンツの中がまだ少し熱をもっているのが分かった。 「う、ん…」 親友の 楓(カエデ)が心配そうに私をのぞきこんだ。 「慶太先輩とか、呼ぼうか?」 「いっ…いいいいって!」 「でも呼ばないと怒られるの、あたしなんだな~」 楓が恨めしげに 私を睨んだ。 以前、風邪を引いた私が楓と遊んだとき うちの兄たちはなぜか楓をひどく叱責したのだ。 「でもっ元気だもん」 「ほんとにぃ~?でもまっ、もう呼んじゃった♪」 茶目っ気たっぷりに 楓は ✉受信画面の 「今すぐ行く」とかかれた文面を左右にゆらした。 ああ… そんな… 私が午後の授業に出られないのはもちろん確実で…。
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