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―――あそこから逃げなきゃ…!
彼女を動かしたのはその気持ちだけだった。
『たいした行動力だと感心するね。でもそんな機動力では私からは逃げきれないよ?』
少女の機体は装備換装で戦闘スタイルを変える万能型だが、今の装備は中近距離での射撃型―――ノーマルタイプ。対してこちらは近距離格闘戦を軸とした、短距離瞬発力の高い機体。その気になればすぐにでも追いつくことができる。
それに…
『それに、そんなぼろぼろの機体で本当に逃げ切れると思っているの?』
あの都市から脱出する時に、都市設置型の地対空ミサイルや高出力EN兵器の妨害にあった。なんとか逃げだしたものの、機体の破損率が高く、ふらつきながら辛うじて飛んでいるのが現状だ。左腕は肩から下が無くなっており、右足は膝からしたが完全に消失している。エネルギー漏れをおこしていないのが不幸中の幸いといったところか。
『君みたいな年頃の人間を相手にするのは好きじゃないんだ。でも時間もない。だからこれが最後の警告。―――逃亡をやめて戻ってくれないか?』
一呼吸の間沈黙がお互いを交差し、そして少女は答えた。
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