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「で、だ。そんなマジキチな奴らとこの狭い空間に詰め込まれてみろ、こっちの頭の中が星になるわ」
こんな教師だが生徒が本気で悩んでいると以外と親身になってくれる。いやマジで。
「何気に酷いこと言いますね。いや、否定できないとこがあれですが。…っていうか普通なのって僕しかいないって事じゃないですか」
「むしろ、あのクラスの中で普通でいられるのが逆に凄いがな。ほら、もう帰るだけだ。帰ったら単位やるから」
千条は「まあ単位くれるんでしたら…」と言い操縦桿で微調整する。小型輸送機なので風の影響を受けやすい。
因みに何故生徒の千条が操縦しているのかというと、単に詩紀が拒否ったからだ。面倒くさいと言う理由だけで。
そんな駄目教師の詩紀は暇そうにレーダーを眺めながらポツリと呟いた。
「それとまあ…念の為、な」
「えっ?」
聞き返す千条に詩紀は独りごとのように答えた。
「もしかしたら戦争に巻き込まれるかもしれないからな」
詩紀が言った戦争とは国家間の直接的な戦闘行為の事ではない。『領土占拠活動』の事だ。都市間が未開発の都市を占領する時に起こる戦闘活動に巻き込まれる可能性があるのだ。
「でもそれなら僕は余計に必要ないんじゃ…僕が出来るのは機体の調整と修理だけですよ」
「だから連れてきたんだよ。もし俺が出撃したら、壊れたところの修理をしてもらおうと思ってな」
「だったら最初からそう言ってくださいよ…そうすれば文句言わずに付いてきたのに」
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