7人が本棚に入れています
本棚に追加
「悪かったな。なにせ杞憂で終わって欲しかったからな」
「えっ?」
「レーダーを見てみろ」
千条は言われた通りレーダーを確認した。すると何かの反応が2つ映っている。まだこちらとはそれなりに距離がある。
「先生…!」
「慌てるな。まだ敵と決まった訳じゃない。それにこちらに気がついていない可能性がある。―――とりあえず俺は見てくるから、お前はどっかに隠れておけ」
そう言って詩紀はシートから降り、操作室を出た。小さい為、操作室と格納庫が繋がっている。格納庫の中央に搬入した荷物が置いてある。シートが掛けてある為、中身が分からないが今は気にする事じゃない、目的の場所に行く。自分が今から乗る機体―――≪シグナル・フレーム≫の前にたどりついた。
≪シグナル・フレーム≫とは10年前の混沌の最中に突如現れ、今までの常識を覆し、今では業界一位の需要を誇る、人型兵器である。
作業用クレーンを使ってコクッピトの位置まで登る。キャノピーは開いているのでそのまま飛び込むように乗り、球型のインターフェースを掴む。インターフェースを介して生体認証が入りOSが起動。リンクシステムが神経と接続。ディスプレイに格納庫―――外の景色が映り機体情報が映し出される。装備を確認中に送信が入った。
『先生!』
「だから大丈夫だって、相手がシグナル・フレームと決まった訳じゃ…」
『出撃シーンの醍醐味はカタパルトですよね!やっぱり作っとくべきだったか…!』
「…やっぱりお前もうちのクラスの人間だな」
最初のコメントを投稿しよう!