そして、高校生活は始まる

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「お~い、兄貴~?」 ――フリフリ 「…お、おう。何?」 目の前で手を振られて意識が現実に戻ってきた。 どうやらまた無意識のうちに考えこんでいたみたいだ。 「兄貴またボーっとしてホントどうしたの?」 「いや、ホント何でもないから、気にするな。」 ふ~ん っとなずなは相槌をしたが、先ほどより表情が少し暗い気が…。さっき俺何か重要な話でも聞き逃したのかなぁ。 「まぁいいけど、気を付けてよ。兄貴考え過ぎる所あるし…。あの時だって…」 ……… 「大丈夫。あの時ほど深刻な事じゃないから。心配してくれてありがとな」 ――ポン 珍しく兄の事を気にしてくれた妹にご褒美として頭を撫ででやる。 うん、なずなの低い身長もこの時は便利だな。高さもちょうど良いし、撫でやすい。
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