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「お~い、兄貴~?」
――フリフリ
「…お、おう。何?」
目の前で手を振られて意識が現実に戻ってきた。
どうやらまた無意識のうちに考えこんでいたみたいだ。
「兄貴またボーっとしてホントどうしたの?」
「いや、ホント何でもないから、気にするな。」
ふ~ん っとなずなは相槌をしたが、先ほどより表情が少し暗い気が…。さっき俺何か重要な話でも聞き逃したのかなぁ。
「まぁいいけど、気を付けてよ。兄貴考え過ぎる所あるし…。あの時だって…」
………
「大丈夫。あの時ほど深刻な事じゃないから。心配してくれてありがとな」
――ポン
珍しく兄の事を気にしてくれた妹にご褒美として頭を撫ででやる。
うん、なずなの低い身長もこの時は便利だな。高さもちょうど良いし、撫でやすい。
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