89人が本棚に入れています
本棚に追加
まさか幼馴染みの勤めるレストランに来るなんて思いもしなかった。
大羅が去り際にチラリと緋鷺を見て、一瞬だけ目が合った。
けれど大羅は特に反応も無く、去っていく。
少しの気まずさを感じながら、緋鷺はメニューを覗き込む。
「このコースがタダなんだっけ?」
「そっ。このコース二人前とワイン一本開けようぜ」
珍しいね、と驚くと尚孝は、たまにはな、と笑った。
何だか普通のカップルっぽくてなんだか楽しかった。
だから、本当にデートのドタキャンを取り戻そうとしてるんだと感じるとジワリと愛しさが沸いた。
最初のコメントを投稿しよう!