苛立ちと依存

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「大変だったね……お疲れ様」 詮索しない様に…そして彼の気分を逆撫でない様に。 こんなクセがついてしまったのはいつからだろう。 「……なぁヒサ…」 「何?」 尚孝は緋鷺の手をソッと握るとはにかんだ。 「…俺にはお前だけだ」 ドッキン… その言葉に高鳴る鼓動に麻薬に似た恍惚とした錯覚を覚える。 この高鳴りが欲しくて… 甘やかして…甘やかして 私はこの人に依存し続ける――――… 「ありがとうございました」 会計を終えて、大羅が頭を下げて二人を見送る。
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