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緋鷺の左手には確かに時計がついている。
だけどこの時計は緋鷺が友達と買い物に行った時に自分で買ったものだ。
時計なんか買ってもらった覚えは無い。
その意味が解った時……緋鷺の中で細々と繋いでいた線がプツン…と音をたてて切れた音がした。
緋鷺は焦る尚孝の服の裾を掴むと無表情に見上げる。
「尚孝……別れて」
その緋鷺の一言に、マズイ事を言ったのだと気付いた一同はシーン…となる。
尚孝はその一言に固まる。
「尚孝には……私じゃなくてもいるじゃん」
緋鷺は淡々と…まるで義務的に物事を進めるみたいに言葉が出てくる。
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