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「さよなら」
緋鷺はサッとバーから出てきた出入り口で、尚孝に腕を掴まれる。
「…………何?」
緋鷺の冷たい視線が、狼狽えた尚孝の顔をとらえる。
「違うんだヒサ!あれは…イトコの子で…!」
あまりのバレバレの嘘に思わず笑いが出そうだ。
「へぇ……イトコ…と一晩6回もやったり……私達の一周年の日に時計買ってあげたり…するんだ?」
直孝の顔が青ざめて何も言えなくなったのを見ると、最後のカマかけも成功だったらしい。
だけど沸いたのは怒りでも悲しみでも呆れでもない。
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