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「おはよう文音ちゃん」
講義前に廊下で友達の文音を見かけて声をかけると、文音は強張った顔で緋鷺を振り返る。
「……おはよ。緋鷺……あのさ太幡くんと…喧嘩でも………した…の?」
文音の顔は引きつっていて緋鷺の顔がギクリとなる。
「……さっき……太幡くんさ……緋鷺来てないかって…すごい怒った顔しててさ…知らないって言ったらどっか行っちゃって…」
文音は尚孝のあの怒った顔を思いだし身震いすると、緋鷺は急にスッと恐怖に背中が冷えた。
「太幡くんのあんな顔……初めてみた」
「……ごめん」
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