シベリウス67

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シベリウス67

シベリウスはどこまでもマーラーと反対だ シベリウスは ぼくたち わたしたち われら ハイティーンの世代意識 われらの世代が生き、成長し、変貌しゆき、めいめいが勝手に試み、なにかにむかっていることを、 ヒロイズムも感傷もなく、 ただただ、まっすぐにうたいあげる。 素晴らしい認識。 素晴らしい同朋意識。 離れていても、かならず、仲間は仲間を見ている。 もはやとどめることのできぬ、 われらののびるちから 大人になりゆく、猶予のとき 青春のときよ 全てがうつりゆくなかで 自由な、輝かしきときを、われらすべてが刻め 世に放たれるまえ、 われらが世代の見えざる紐帯を いさかいと 卑小なわれらのあらゆる悩み 怒り 愚かさ 幼稚なこころ、態度、傷つけあい 離れ ひとり放り出される ひとりひとりがてんでんのしのぎを しのぎにしのぎ みえない助けがあらわれ来ることも知らず! 隣にいまし友こそ汝の助けなる 手を差し伸べ墜ちるを防ぐは友なるぞ 汝を支えるは友なるぞ 友こそ汝の走るちからなれ われらいざ生きん われらの誇りと のびゆく賢さ いまここにありて 世を統ぶなり いまわれら 沈黙のうちに ここに在るなり マーラーの場合、 われら、仲間、他者、 が皆、想像でしかない。現実感がない。他者との深い関係を結べないのだ
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