俺の姉がこんなに過保護な訳がない

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「あの柊さん?」 (私はまだちょうきょ……) (今なんか声がしたような……) 「未来ちゃーん」 「なに音ちゃん?」 「何って、何ずっと考え事してんだよ」 「いや少し……」 (いや待てよ……ここで『その鼻血どうしたの!?』みたいな反応をすれば……) 「始まったよ……志保先に二階行っててくれ」 「どうして?」 「こいつ追い出すから」 「分かったわ」 そう言うと志保はそのまま二階に上がって行った 柊は顎に手を当てて何かぶつぶつ独り言を喋っている 「そうそう姉さん」 「音くん、呼ぶ時は違うでしょ?」 「分かったよ……香奈姉さん」 伊井 香奈(いい かな) 音の姉。 髪は長く、少し色っぽい雰囲気を出している 音に対しては過保護と思われるぐらい心配している 「それで音くん、用事は何ですか?」 「あぁ、その事なんだけど」 音は頭をボリボリかきながら柊の姿を見る 柊は未だにぶつぶつ独り言を喋っている 「未来ちゃんの相手してあげて」 「分かったわ」 「ありがと、それじゃあ俺は部屋に行くから」 音はそう言うと階段を上がって行った 香奈はその姿を見ながらつぶやいた 「未来ちゃんか……」 そう言うと香奈は柊をリビングに両脇を持って運んだ
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