RPGツクーレ

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「ねぇ、音ちゃん」 さっきとは違い真剣な眼差しで俺の顔を見つめる それは今までのおちゃらけている志保ではなかった 「な……なんだ?」 「答え、聞かせて」 答え きっと前のことだろう あの時は未来ちゃんが邪魔したからだろう 「ねぇ、聞かせてよ。私のこと………好き?」 「………………」 言葉が出ない 口が動かない 大切な思い 大切な言葉 「お、俺は………」 志保がジッと俺の目を見つめて答えを聞こうとする 「わからないんだ」 「わからない?」 「いや、誰かを……"愛したくないんだ"」 「……………………」 一時の沈黙 誰かを愛したら 誰かを失ってしまう そう、俺の母のように 「なら………さ」 志保は沈黙の中に割って入ってきた 「キス……して」 「そうしたら、私は二度と離れないし、"おっくん"を守り続けるから………だから……キス……して」 「……………………」 「俺が出来るのはさ……」 音が喋りだす 「ただお前に、その……」 たじたじしながら志保に近づいていく その時、音は志保の頬にキスをした みるみるうちに志保は顔を赤くする 志保は今何が起きているかわからないような感じになっている 「これは………誕生日プレゼントな!!」 「え……今日は私の………」 そう、今日は志保の誕生日
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