富岩公園

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翌日から 私は 昼間は人間の目をさけ 夜になると行動するようになる。 しかし夜になると 一層 その青い目が 輝き 目立つようになる。 長老の言葉は この町に住む すべてのネコに広まり やがては 私(青い目の猫)のことを 「悪魔の目! 悪魔の目!」と呼ぶようになり。 さらには 私が苦労してありついた 食事を 横取りするやつも 現れた。 人間界のイジメみたいなものが 私たちの世界でもおこなわれていたのである。 それでも 私は耐えた。 なぜなら 同じ猫同士だからである。 青い目だろうが どんな目だろうが 猫同士 いがみあって なんになる 縄張りなんて 必要ない。 私はそう信じて 猫として生きてきた。 そんな ある日 富岩運河に 私たちとって 一番長い日が訪れる。
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