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「死にたくない死にたくない死に…た…クナ…イ…」
気付くと、俺の体は─────
─燃えていた。
それは赤ではなく、黒い、漆黒の炎。
「なっ…」
兵は驚くと、伸ばした手を引っ込める。
「う…ゥア…ゥア゙ア゙ァアア」
俺は頭を押さえながら、本当に自分の声なのかと思うような呻き声を出す。
意識が朦朧[もうろう]とする中、兵の悲鳴だけが、俺の頭を埋め尽くした。
気付いたらそこは、血の海だった。
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