里心

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中島とよく登った柿木や心落ち着く庭園などを見て感傷に浸ろうと思っていたのだが、残念だ。 時の流れは変化を生む強大な力である。それは全ての物に及ぶ。無論人間も、その心さえも例外ではない。 俺は気を取り直して商店街へ向かうことにした。 おぼろげな記憶をたどり歩いて行く。 蕎麦屋の隣は文具店、その向かいは精肉店。確か、郵便局の三軒先にあの店が…… あった、楽器店があの頃と変わらぬ佇まいで。
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