述懐

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俺は川を見つめていた。 知らぬ間に泣いていた。 ただ悲しかった。 昨日、結婚まで決意した女性に突然ふられたのだ。 彼女とは二年間付き合った。おっとりとした性格で、周囲も羨む美人だった。 翻訳者として働く傍らモデルの仕事もこなし、才色兼備とは正に彼女のためにある言葉だと思えるほどに完璧な女性だった。 自分にとっての最高の女性を失った悲しみは例えようもなく大きなものだった。 これでは、明後日海外に転勤する幼馴染みの中島を笑って送り出してあげられそうもない…
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