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それからまたしばらく、月乃はようやく落ち着いた様子で目を覚ました。
「ごめんなさい、私が変な事したばっかりに……」
明らかに落ち込み出す小堺を見るなり月乃はワタワタと慌てて誤魔化し、励まし、落ち着かせる。
(いろいろな真美夏ちゃんを見れて幸せだ…)と、内心ほっこりした。
「……あの、一つ聞いてもいいかな?」
落ち着いた小堺は、改まって口を開いた。
急に変わった様子に驚く月乃だが、すぐに平静になって聞く。
「月乃くんといつも一緒にいる女の子…いるでしょ?」
「ああ…陽鞠ちゃんの事か…」
やれやれ、と肩をすくめ、ため息混じりに言う。
どうせ聞かれる事はわかっているので、先に口に出す。
「陽鞠ちゃんとはなんにもないよ。ただの幼なじみ」
「そうなの?」
「だいたい僕あの子苦手だし、一緒にいたくないんだ」
「嫌いなの?」
「嫌いじゃないんだけど……一緒にいると疲れるし、我が儘ばっかり言うから苦手……ん~、よくわかんないや」
頭をかきながら、最後は曖昧に終わらせた月乃。
ここで予鈴が鳴り響く。
「もう昼休み終わっちゃった…」
「放課後あるからいいじゃん。途中まで一緒に行こうよ小堺さん」
「うん、月乃くん」
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