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「………」
「何さっきからニヤニヤしてんだよお前はぁ、気持ちわりぃなぁ…」
最後の授業の前の休み時間。
龍大は口元を緩めてニヤニヤしている月乃にそう言った。
言われた本人は意に介せずニヤニヤとして黒板の上にある時計を眺めている。
「昼休み終わってから授業中もずっとニヤニヤしてんだぜぇこいつ。何かあったか知ってっかぁ?」
龍大は原因がわからず、隣にいる健吾に聞いてみる。すると健吾は小さく笑いながら、
「どうやらお昼休み、あの小堺さんと一緒にお昼ご飯を食べたそうですよ?」
「何ぃ!?あの小堺とツッキーが昼食ご一緒しただとぉ!?」
信じられん! と驚きいっぱいの顔で声を荒げる龍大。その時、月乃がようやく我に帰って口を開く。
「真美夏ちゃんの手作りサンドイッチすっごくおいしかったんだよぉ。もう見てるだけでも幸せだったな~…あんな可愛い笑顔見たことないよ…世界三大美女さんたちもビックリだよ~。しかも、真美夏ちゃんって実は動物が苦手でさ、それで………」
何やら顔をニヤつかせながら話し始める幸せそうな月乃を見て、龍大と健吾はやれやれとため息をつく。
月乃は、完全に小堺にお熱であった。
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