好き?嫌い?

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「ほら朝よ、いい加減起きなさい!」 綺麗な声音を大きめのボリュームで出し、気分よく眠っている一人の少年の布団を無理やり剥ぎ取った。 剥ぎ取られた少年は「う~……」とうめき声を小さく溢し、猫のように丸まってしまった。 季節は冬。部屋の中でも寒い。唯一その寒さから身を守ってくれていた布団が剥がされれば、丸まっても仕方ない気もする。 が、それを彼女は許さない。 「学校よ!さっさと起きて着替えなさい月乃(つきの)!!」 「う~……、ん?」 「ん?じゃないわよバカ月乃!さっさと着替えて学校行くわよ!」 「ん~……………」 「コラ寝るな!さっさと起きろって言ってんでしょうが!!」 「ムギャ!」 敷き布団を強引に引っ張り上げられ、丸まっていた彼はみっともなく布団から転がり落ちた。 「むぐ~………ん?……なんだ、陽鞠(ひまり)ちゃんか…」 「なんだじゃないわよバカ月。さっさと着替えなさい、学校行くわよ」 「ん………うん、わかった」
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