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どこの学校にも、美少女はいる。
それが同じ学年なら喜びに満ち溢れ、同じクラスならばもう気分上々テンションマックス。 ましてや隣の席なら毎日が極楽スクールライフを送れることだろう。
それほど、女神的地位にある美少女とお昼ご飯をご一緒できるならそれは……男たちの夢であるだろう。
現在ここに、その夢を実現した者がいる。その者は自分の口で、確かにこう言った。
「もう死んでもいい」
「どうしたの?急に」
サンドイッチ片手に涙を流す隣の男子に、心配そうな面持ちで少女が訊ねる。
その声にハッと我に帰った男子、月乃は、流れる涙を拭い、「なんでもないよ」と言ってサンドイッチを頬張った。
涙流して死んでもいいと言い出した男になんでもないと言われても、信憑性に欠けてしまう。
だが、そこを敢えて触れずに「そう」と笑って流す彼女は、やはり女神的な地位に立つ者なのであろう。
現在、月乃は誰もいない屋上で、二人っきりで、しかも校内で美少女と名高い少女小堺と、小堺のランチを分けてもらいながら過ごしているわけであるが、
(もう死んでもいい……)
やはりこうなってしまう。
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