レオナルド・グリーンブラッド

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――魔法界きっての偉大なる魔法使い、そしてバビロン大魔法教育アカデミーの校長である、“レオナルド・グリーンブラッド”は、ひどく憂鬱だった。 三つある理由の内一つ目は、目の前の膨大な書類の山だった。 今年入学してくる生徒の書類だが、今やっと、五百七十枚目に目を通したところだった。 その上、まだその倍は残っているであろう――。 二つ目は、ノーバータング村で起きた、怪事件である――。 自分が創立した“レジスタンス団”の一員であった、ピーターとアリスが殺された。 あの二人は、バビロン大魔法教育アカデミーに在学していた時は、悪戯ばかりしていて、グリーンブラッドはしょっちゅう手を焼かされていた。 それだけに、二人がいないというのは未だに信じられず、又、悲しみもより一層深かった。 更に二人の子供の“ウィック”は、行方不明なのだ――!!
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