レオナルド・グリーンブラッド

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だがグリーンブラッドは、その件に関しては何らの心配も持っていなかったのである。 何を隠そう三つ目は、ついさっき、書類の整理した山に突然姿をあらわし、整理した山と未整理中の山をごちゃ混ぜにしてくれた―――― ――目の前の赤ん坊である――。 綺麗な金髪、澄みきったブルーの瞳、雪のような真っ白な肌を持つこの赤ん坊は、間違いなくウィックその者だった。 魔法界新聞に載っていたのだが、ノーバータング村の人々の、ウィックに関する証言がこの子にぴったり当てはまるのもそうだ。 だが何よりこの子は母親、アリスに生き写しなのである――!! グリーンブラッドは、この赤ん坊をどこに預けるか迷っていた。 本当を言うと、あの二人の忘れ形見であるこの子を、自分で育ててやりたいという気持でいっぱいだったのだが、それではウィックの為にならない。 ――グリーンブラッドは、誰に預けるのが最適かもう分かっていた。
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