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「ではやはり…」
「うむ、二人は、“無”の信者、“影”に殺られたのであろう。」
グリーンブラッドは、自分の声が落ち着いているのに自分でも驚いた。
――グリーンブラッドの部屋の開け放した窓から、真っ黒なカラスが入ってきた。
「おぉ、アブラクサスか!!…それで、首尾はどうかね?」
アブラクサスとは、魔法界の中でもとびきり不思議な魔法生物、グモーグルの事だった。
グモーグルは、姿形を自由に変えられた。
そしてアブラクサスは、優秀なグモーグルだった。
―――アブラクサスが嘴を動かし始まると、グリーンブラッドは耳を近づけ、頷きながら聞いた。
ボルト先生は真剣に耳を傾けていたが、ひそひそ声なので、全く聞こえなかった。
半ばイライラしながら、ボルト先生は聞くのをやめ、待つ事に専念しようとした。
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