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―――眩しい光を瞼の裏にに感じ取って、ノッソリと起き上がった。
部屋はいつもと変わらず、自分の瞳と同じ色のブルーで飾られている。
窓を大きく開け放すと、そばの気に留まっていた小鳥達が、一斉に大空に舞い上がった。
眠い目をこすりこすり起き上がると、机に飾られた両親の写真が、ウィックに向かって「おはよう!!」と話し掛けた。
「おはよう。」と返してはみたが、結局挨拶をするように魔法をかけられた感情のない写真なので、ウィックは、何ら嬉しいという感情は沸いてこなかった。
壁に掛けられている小さな丸い鏡を覗き込むと、そこには、大きなブルーの目があった。
ウィックは両親の事を考えて、自分の瞳を恨めしそうに睨みながら、髪をとかしつけた。
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