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もう一度自分を見て満足げに頷くと、ウィックは朝食を食べに階下に降りていった。
リビングのドアを開けると、そこにはいつものようにロイド眼鏡を掛け、茶色いクシャッとした髪の、ノープルーフおじさんが新聞を読んでいた。
「おはよう、ウィック。」
おじさんは、独特のノンビリした口調で言った。
「昨日はよく眠れたかい?」
「まぁね。いつも通りだよ。」
おじさんは頷くと、ウィックに囁いた。
「今朝はエイミーがとても期限がいいんだ。大変な事が起こるかも知れない。気を付けろよな?」
ウィックは微笑んだ。おじさんはいつも大袈裟だ。
それからウィックは、おばさんに「おはよう」を言いに、キッチンに向かった。
おばさんは忙しそうに朝食のジャガイモの皮を剥いていたが、ウィックの姿を見ると嬉しそうに言った。
「あらウィック、おはよう。調子が良さそうね。良かったわ!」
それだけ言うとおばさんは、またジャガイモの皮を剥き始めた。
ウィックはにわかに恐怖を覚えた。
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