プロローグ

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一方、村では賑やかな祭りが開かれていた。 「やぁピーター!!ウィックはどうだい?」 ウィックの父親の友人、“マックス・ウルベルガー”が、ビール片手に朗らかに話し掛けてきた。 「ウィックなら、アリスと一緒に家にいるよ。」 「いいねぇ、美人の妻を持って。俺ァ羨ましいよ…。」 ほろ酔い加減のマックスはそう言って、踊っている群衆の輪に戻っていった。 しかしピーターは考えていた。 (なぜ“無”は退散したのだろう…。特に負けていた訳でもない…。むしろ有利だった筈だ。) ふと妻子が心配になり、父親は小走りで家に向かった。
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