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一方母親は、家でウィックを寝かし付けていた――。
(今頃、村ではドンチャン騒ぎなんだろうなー。)
そんな事を考えながら、アリスは夫の帰りを待った。
――下の階で玄関の鍵が開く音がしたような気がした。
(ピーターはもう帰って来たのかしら?)
アリスは何の疑いもなく、階下へと降り、玄関ホールに小走りで行った。
「お帰り!早かった…わ…ね…」
そこにいたのは、夫ではなかった。
黒いマントを来た男が玄関ホールで静かに佇んでいた。
フードを被っており、顔は見えなかったが、袖から出ている手は白く骨張っていた。
アリスは恐怖で声も出なかった――。
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