青い空

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彼女が気がついたのは、真っ黒になった木の幹の中だった。 一面は真っ黒。木々の緑は、跡形もなく消え失せ、空の青さだけが嫌に映えた。 あれ?いない… なぜ、私だけいるの? 「ねぇ、どこにいるの?」 いつも一緒だった 寝るのも起きるのも 出るのも帰るのも あのときも一緒だった 一緒のはずだった 覚えているのは 太陽が雲に覆われ、影に包まれたあのとき… みんなが早く帰った方がいいと言っていた。あのときは、何も考えてなかった。 言われてすぐに、変な匂いが漂ってきた。 『早く逃げて!!』 森と風が叫ぶ。振り向くと、真っ赤に燃え上がる炎がすぐそばまで迫っていた。 見たことのない巨大な火に、2人は立ちすくんでしまった。 それを見た風は 『早く!!私の言う通りに走って』 2人を押して、火のないところへと連れていく。しかし、炎はどんどん増し、風ではどうすることも出来ず、彼女たちを守るので精一杯だった。 森の木々が、あちこちでうめき叫んでいる。熱い、痛いと苦しんでいる間を、2人は顔を歪めながら、走り続けた。 火は、すでに辺りを覆い、彼女たちは行き場を失った。 そのとき、炎に焼かれた木が、彼女たちをめがけ、倒れてきた。 焼かれる中、力を振り絞り木々が叫ぶ。 『木の穴の中に入って!!』 彼女たちも、最後の力を振り絞り、穴へ走った。
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