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彼女は少女をなだめながら、少女との別れが近いことを感じる。
『でもね…私はいつでもあなたと一緒。姿が見えなくても。あなたが思ってくれれば一緒。
それに、こうやって、風や森たちが言葉を伝えてくれるから』
「ほんと?」
『ほんと』
少女は、少しでも彼女との繋がりが残っていることに、心が落ち着く。
「すぐにまたお話しできる?」
『できるよ。あなたが望めば必ず。』
少女は目を閉じ、またゆっくりと開ける。何かを覚悟したかのように…
「私がいっぱいいっぱい、いろんなところに行って、見てあなたに教える」
『え?』
「私がいっぱいいろんなことをして、伝える」
少女の赤く腫れた目の中には、強い真っ直ぐな意志がやどっていた。
そして、彼女にもその意志がすぐに伝わった。
うん
私たちはいつも一緒
少女は歩き始めた
広い広い
そして
細い細い道を…
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