小さな村

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高い高い山の中 深い深い森の奥 そこに 小さな小さな村があった。 そこは大きな道もなく、人が通る道さえ危うい、周りからも入るのが困難な場所にあった。すべてから遮断された村だった。 そこに住む人々は、今日の糧をかき集めなんとか今を生きていた。 さらなる奥地に建つ小さな小さな家に住む家族も、今を静かに生きていた。 住んでいるのは、双子の少女たちと母親。 しかし、この家族には他の村人たちとはあまり関わりがなかった。いや、他の村人たちが関わろうとしなかったのだ。 その家族の双子には、不思議な力があった。 彼女たちには森の声が聴こえる。 森が話すことを彼女たちは聴いた。そして、語りかけた。 森はその日見たこと聞いたことをいろいろ話してくれた。彼女たちは、毎日楽しみに聴いていた。 風が奏でる音楽を感じながら…
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