小さな村

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双子の少女達は、時々不思議なことを言うことがあった。 「今日は森が騒いでるね。」 「ほんとだ。機嫌悪いね。」 最初はみんな、子供の他愛のない会話だと思っていた。 しかし、だんだんとその会話が妙に聴こえてきた。 「…ちゃんち、またケンカしてたね。」 「…さんのうちで、みんなが集まって、楽しそうだな。」 なぜ自分達しか知らないことを知っているのだろう。 みんな、気味が悪く思うようになった。 そして、いつしか家族も気味悪がられるようになった。 母は、みなの嫌悪の目にさらされ、心身疲れはてていた。母は言った。 「もう変なこと言わないで。」 子供達は不思議に感じた。聴いたことをただ、話しているだけなのに。 子供達は、何が変なことなのかわからず、顔を見合わせた。 母は、森から聴いた話をする度に、怒り悲しみ崩れ倒れた。 子供達は、わかった。 森の話をするとお母さんが辛い顔をするのだと。
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