3人が本棚に入れています
本棚に追加
夜は静寂そのもの。
聴こえるのは風がなく声と木々のもがり。
冷たく暗い闇。
月だけがただ、空高くにいた。
月明かりがほんの少しだけ差し込む狭い部屋で、身を寄せ合い少女達は眠っていた。風の子守唄を聴きながら…
きぃぃ
と、立て付けの歪んだ戸が、少しだけ開く。向こうの部屋の仄かな明かりが、入り込む。
一瞬、影で光が暗闇に消えた。闇の中で月明かりに照らされた少女達を、ぼやけた視界に母親は見ていた。
どのくらい彼女達をみていただろうか。
すやすやと、気持ち良さそうに手をつなぎ眠っている。
こうやってみると、なんて可愛い子供達だろうか。
でも、周りの人々は、この子達を悪魔だなんだと意味嫌う。そして、その子供を産んだ私も…
音を立てぬよう、静かに戸を閉め、微かに灯るランプを見つめる。
最初のコメントを投稿しよう!