小さな村

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夜は静寂そのもの。 聴こえるのは風がなく声と木々のもがり。 冷たく暗い闇。 月だけがただ、空高くにいた。 月明かりがほんの少しだけ差し込む狭い部屋で、身を寄せ合い少女達は眠っていた。風の子守唄を聴きながら… きぃぃ と、立て付けの歪んだ戸が、少しだけ開く。向こうの部屋の仄かな明かりが、入り込む。 一瞬、影で光が暗闇に消えた。闇の中で月明かりに照らされた少女達を、ぼやけた視界に母親は見ていた。 どのくらい彼女達をみていただろうか。 すやすやと、気持ち良さそうに手をつなぎ眠っている。 こうやってみると、なんて可愛い子供達だろうか。 でも、周りの人々は、この子達を悪魔だなんだと意味嫌う。そして、その子供を産んだ私も… 音を立てぬよう、静かに戸を閉め、微かに灯るランプを見つめる。
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