炎撃のような夏の空

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和音side  朝、今日は夏休み。俺は退院後なのでまだ部活には顔を出せそうにない。どうやら俺は、スポーツ推薦で名門校に入学しておきながら、最後の大会に出られないことになってしまった。  これは、紛れもない不名誉だ。  キッチンからだろう。包丁とまな板のぶつかる瞬間の独特の音がする。このリズムは割と好きだ。  俺は体を起こす。とりあえず朝が始まったんだ。顔を洗おうか。  洗面台まで足を運ぶと、綺麗な桜色の髪をした男が鏡に映る。もちろん、それは俺である。長さはミディアムくらいがちょうどいいと思っての長さ。実は気に入っていたりする。 「さて、朝飯だな」  キッチンに向かうと、赤髪ポニーテールの女の子が、水色のエプロンをつけて料理をしている。エプロンの下は、白いワンピースを着ていた。 「由宇葉、何回裸エプロンで料理をしろと言ったらわかっいで!?」  由宇葉が、包丁の峰打ちで頭をかち割るように殴る。  この痛みは、不名誉を得てまで手に入れた。紛れもない名誉だ。
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