こころづかい

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「じゃあ教えて。好きな所で降ろしてあげるから」 「え……いいんですか」 運転手の顔は微かに笑みをうかべていてそれだけでいい人だという思いがした。 バスの運転手としてはバス停というバスが停まるべき場所で停め客を乗り降りさせるのが仕事でありそれ以上でもそれ以下でもないと思っていた。 この運転手のおじさんのちょっとした心遣いに胸が熱くなると同時にカテ教頑張ろうという思いにも繋がる。 もしかしたら俺が以前終点まで乗って歩いて戻っていたのを見ていたのかもしれない。 しかしもしそうであったとしてもその一言をかけてくれた運転手の優しさが素直に嬉しかった。 降りるときに俺は自然と感謝の言葉が出ていた。 それから俺はバスを降りる度に必ず感謝の一言を忘れずに言うようになった。 バスを利用する方も客であるという意識の前に乗せてもらってるという意識に立つことが大切だと身に染みて感じた日であった。 自分が運転手にかけてもらった一言が嬉しかったように、自分がかけた感謝の一言が運転手にとっての励みになればと思う 今日この頃でありました。
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