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「うーん…イマイチかな」
短い溜め息と一緒に、小さく呟く。
「皆にもたくさん相手してもらったし、もうちょいでつかめると思うんだけど」
言いながら、私は再び竹刀を構え、姿勢を正した。
そして。
「――っ！」
気合いと共に地面を蹴り、竹刀を前に振り出す。
…やっぱり、あと一歩上手くいかない。
まだ皆寝静まっている早朝、私は一人庭へ出て、剣の稽古をしていた。
昨日は熱が出ちゃったせいで、一日部屋に籠りっぱなしだったから。
身体が鈍る前に、今日はみっちり練習しようと思って、相当頑張って早起きした。
…それに。
この前、以蔵が教えてくれた重心移動法を、早く身に付けたくて。
あの時頭に焼き付けた、以蔵や皆の戦い方を、見よう見まねで実践していた。
あともう少し。もう少しで、何か掴めそうなんだけど…
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