吉川新太郎

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透けて見える白い肌。 端整な鼻梁(びりょう)を挟んで覗く切れ長の目が、微笑を含んで見下ろしていた。 一歩前に出た足が水面に写った虚像を踏みつける。 冷たい感触が、波紋となってそよぐ幻影の正体を伝えた。 吉川新太郎(よしかわしんたろう)それがこの虚像の名前。
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