霧島冷夏

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はっと目を覚ました。 どうも、うたた寝していたようだ。 確か最後に見た夢は・・・ そう最後に見た手鏡の中の自分は、霧島冷夏だった。 そう私のはず。 どうして私は自分の顔を他人と思ったのか。 「大丈夫ですか?」 その時隣りで声がした。 改めて自分が車の中で寝ていた事を思い出す。 「霧島さん働き過ぎなんじゃないですか」 運転手の男が話しかける。 『そう思うんだったら仕事減らしてよ』 「本当にいいんですか?」 『出来るんだったらね』 「厳しいな~」 「まあ権限はありませんから」 『まだ付かないの?』 『ほんとろくな仕事持って来ないんだから』 「ファンが聞いたら泣きますよ」 『あんた見たいなファンはいらないわよ』 「僕ほど、ご奉仕するファンはいませんよ」 『お金貰ってて、言うセリフじゃないわね』 そうこいつは世に言うマネジャーと言うやつ。 人にたかってお金を取る禿鷹くんである。 「それ言われると」 「僕もこう見えて厳しいんですよ」
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