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『あめ』
「えっ!?」
無言でフロントガラスを見る。
「あっ!降ってきましたね」
「そうそう、向こうは台風のまただ中らしいですよ」
その時、閃光が辺りを真っ白に染める。
壊れたブラインカンのようにチカチカと残像を残すと、遅れて轟音が通り過ぎる。"ゴロッゴゴゴーー"
"ザッアザッザッザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザーザー"
突然の大雨に視界が奪われる。
滝の中にいるようだ。
「この分だとちょっと遅れるかも知れませんね」
冷静にあっさり言うマネジャー。
『焦ったようには聞こえないけど』
「まあこの天候じゃあどっちみち撮影は無理ですからね」
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