ACT00 ―――――――

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ACT00 ―――――――

灼熱の業火が街を焙る。 ・・・見慣れたあの景色は二度と戻らない。 だがそんなことはもう―――どうでもよかった。 愛する者を失った悲しみ・・・、 後悔の念が胸に渦巻いていた。 もう二度と、彼女の声も、 温もりも、優しさも、 あの笑顔にも、もう手が届かない・・・。 その現実が重くのし掛かる。 やがて、涙と悔吾の思いは 憎しみの黒き炎に変わった。 自分の中に猛る暗き焔を解放した今・・・。 世界を焼き落とすことも容易い。 燻る魂の灯火全てを燃やし尽くすまでに、奴を殺す・・・。 いや、もう、彼女の居ない世界なんて滅んでしまえばいい。 全ての生あるものに悠久なる眠りを与えよう・・・。 炎海の中、男は空を仰ぎ、 凄惨な声をあげた・・・。
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