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月明かりも射し込まない夜。
皆が寝静まった時間に、
一人の少年が闇に紛れ歩いていた。
艶やかな黒髪に、この真冬の寒さで薄着。
さらには機嫌良さげに鼻唄まで口ずさんでいる。
あまりにも常識はずれ。
だか、彼にとってはそれが普通。
昼間に街道を歩いていることとなんら変わりない。
「この辺だよな・・・」
ボソリと呟いた後、
遠くに見える灯りを見つけて、
彼は不敵な笑みを浮かべた。
「・・・よし、あいつらだな」
そうして、
ポケットに手を突っ込んだまま、
明かりの方へと、ぶらぶら歩み寄って行く。
口元に笑みを浮かべたままに・・・。
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