ACT1 プロローグ

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月明かりも射し込まない夜。 皆が寝静まった時間に、 一人の少年が闇に紛れ歩いていた。 艶やかな黒髪に、この真冬の寒さで薄着。 さらには機嫌良さげに鼻唄まで口ずさんでいる。 あまりにも常識はずれ。 だか、彼にとってはそれが普通。 昼間に街道を歩いていることとなんら変わりない。 「この辺だよな・・・」 ボソリと呟いた後、 遠くに見える灯りを見つけて、 彼は不敵な笑みを浮かべた。 「・・・よし、あいつらだな」 そうして、 ポケットに手を突っ込んだまま、 明かりの方へと、ぶらぶら歩み寄って行く。 口元に笑みを浮かべたままに・・・。
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