ACT1 プロローグ

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深緑の瞳。 燃えるような鮮血の紅髪。 「こんな時間にどうしたんです? お仕事ですか?」 それは此方の台詞だ・・・。 言葉を飲み込み、彼は街灯に座る少年を睨む。 「・・・なかなか旨そうだけど、 こっちも仕事でね。 向こうの人達は可哀想だったけど、お兄さんは助けてやるから荷物を置いてさっさと立ち去れ」 呑気な、丁寧な口調から一変、 威圧するような口調に。 深淵のような深緑の瞳は、 射ぬくような視線とも違う。 氷のように冷たいものでもない。 ただ威圧的な力を持って、 自分をへいげいしている。 こ、こんな餓鬼に・・・。 「貴様、何者だ・・・」 「ん?通りすがりの正義の味方」 さも愉快そうに笑う。 だがお陰で、威圧が緩み、 冷静さを取り戻せた。 向こうの人達は可哀想だった。 つまり友達の用意した護衛は・・・。 それならば、自分に出来ることは生きることだ・・・。 そこまで判断して、 彼は唯一の荷物を残したまま、 一目散に裏路地へと駆けていった。 ・・・己の不幸を呪いながら。
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