プロローグ-3

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両親が高校入学のお祝いとして、俺が前々から欲しがっていたドラムを買ってくれた。 自分で言うのもなんだが、俺はもともとリズム感はいい方だったため、ただ叩いているだけでドラムの腕は見る見る上達していった。 しかし3学期になると、ドラムに対する倦怠期がやってきたため、2、3ヶ月ほどドラムには触れることすらなかった。 しかし3カ月ほど経ったある日、テレビの音楽系番組に1人の天才ドラマーが出てきた。 思わず食い入るように見てしまう。 演奏が終了したとき、なぜか俺は汗をかいていた。 そしてすぐにドラムの置いてある部屋に行き、天才ドラマーが叩いていたリズムを奏でようとした。 もちろん俺にそんな力は備わっていない。しかし、ただ頭の中でそのリズムをイメージするだけで 俺のドラムに対する倦怠期は終わりを向かえていた。
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