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キーンコーンカーンコーン…
始業の予鈴が鳴る頃、俺はいつも、まだ学校内にはいない。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ…」
校門が先生たちの手によって、少しずつ閉められていく。
「はあっ、はぁっ、はぁっ…」
校門まで残り100メートル。俺は短距離の選手ばりに全力で走った。
残り50メートル。
校門はすでにあと2メートルほどの間隔しか開いていない。時間にしてほんの5秒で閉まってしまうだろう。
そうこう考えている間に残り20メートル。
これは…、行ける!!
今までの経験がそう語っている。
残り3秒あれば…、
残りの10メートルは余裕で埋めれる!!
そう思った瞬間
ズサァッ!
「あいたっ!!」
…校門まで残り5メートルのところで、派手に転んでしまった。
そして校門は無慈悲にも…
ピシャリ
と、音をたてて閉められてしまった。
「はい、花咲また遅刻…と。」
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